ホフスタッターの法則(Hofstadter’s law)の意味とは?予定より時間がかかる現象に名前があった!

ホフスタッターの法則(Hofstadter’s law)の意味とは?予定より時間がかかる現象に名前があった!


仕事や勉強、そしてブログの執筆はできれば作業効率をアップさせたいものです。早ければ早いほど、他のことに時間を使えますし、散歩したり昼寝したりもできますしね。

私は最近、集中力と作業効率を上げるために、25分間作業をして、5分間の休憩を挟み、また25分間作業をして、5分間の休憩を挟む

そんな仕事のやり方に挑戦しています。

例えば、このブログを書いている現在も、25分間のタイマーをセットしながら作業をしています。

タイマーのアラームが鳴ったら作業の手を止めて、5分間は寝転がってメディテーションをしたり、ストレッチをしたり、トイレに行ったり。とにかく作業から一旦離れます。

そうやって、30分単位のタイムスケジュールを組むようにしています。

仕事を開始する前に、まずは1日の作業量を見積もるんですよね。そうやって、タスクを潰してコツコツと仕事を進めていくわけです。

どうして、このような手段を取るようになったのかは、また別の機会に説明しますね。

しかしながら、ここまで計画的に仕事を進めているにも関わらず、どうしても仕事が終わらない。

一体何でなんだろう?と思っていたら、ふと目にした英語の格言でこんな言葉に出会いました。

Hofstadter’s Law: It always takes longer than you expect, even when you take into account Hofstadter’s Law.

意訳です↓

ホフスタッターの法則: いつも自分の見積もりよりも、長い時間がかかるものだ。たとえホフスタッターの法則を採用したとしてもね。

「思いのほか時間がかかってしまう現象」には、こうして「ホフスタッターの法則(Hofstadter’s law)」という名前が付いていたわけですね!

すごく納得したので、理解度を深めるために、この「ホフスタッターの法則(Hofstadter’s law)」と、この法則の提唱者であるダグラス・ホフスタッターについてを調べてみました。

ホフスタッターの法則(Hofstadter’s law)とは?

ダグラス・ホフスタッターという学者さんが、書籍「ゲーデル、エッシャー、バッハ – あるいは不思議の環(Gödel, Escher, Bach: An Eternal Golden Braid)」(著書は頭文字を取ってGEBと呼ばれている)で提唱したのが、ホフスタッターの法則(Hofstadter’s law)です。1979年に発刊されて、 ピューリッツァー賞の一般ノンフィクション部門と、 全米図書賞の科学部門を受賞しています。

ホフスタッターの法則(Hofstadter’s law)を理解するためには、こちらの表をご覧ください。

ホフスタッターの法則をわかりやすく説明しましょう。

まずは「最速の予定時間(Best case time estimated)」が1時間だったとします。
でも流石にそこまで早くできないだろ~と思って「平均的な予定時間(Average case time estimated)」を出します。
さらに、余裕を持って「最も遅い予定時間(Worst case time estimated)」を考えます。

最終的に「ホフスタッターの法則」というものがあってだな……と「ホフスタッターの法則に当てはめた予定時間(Worst case time taking into account Hofstadter’s law )」を割り出して、締め切りを設定して作業を開始します。

すると、どうでしょう。

作業に取り掛かってから終了するまでの「実際にかかった時間(Actural Time)」は、「ホフスタッターの法則」に当てはめて遅めに設定した予定時間以上でした!

身に覚えのある方も多くないですか?

例えば、友達と待ち合わせて会う約束をしました。

待ち合わせ場所は初めて行くところで、Googleマップで検索して30分で着くだろうと見積もります(最速の予定時間)。
次に、5分前行動が大事だよね、と5分早めに着くように35分前に家を出ようかなと考えます平均的な予定時間)。
電車の遅延や乗り換えのタイミングが合わなかった時を考慮して、10分くらい早めに家を出ることにしました最も遅い予定時間)。

家を出る準備をしていると、靴下が見つからなかったり、お洋服のコーディネートがうまくまとまらなかったり、家を出ようとしたら雨が降ってきて傘を取りに戻ったり。
待ち合わせの時間に遅れそうだなと思い、待ち合わせ相手の友人に「ごめん、10分くらい遅れそう」とメールしますホフスタッターの法則に当てはめた予定時間)。
電車の乗り換えが5分で済むと思っていたら、待ち時間はなんと12分。

そうこうしてたら、待ち合わせ場所に到着したのは予定の時間よりも30分後でした(実際にかかった時間)。
待ち合わせている友人に平謝りしたのは言うまでもありません。

こういった目的地に辿り着くまでの予想時間って、いつも通っていたり、慣れている場所なら予定通りに行くようになりますよね!

でも、初めて行く少し遠いところって、かなり多めに見積もっておかないと大遅刻する羽目になることが多々あるんですよね。

ちなみに私の場合は人を待たせるストレスよりも、人を待つストレスの方がマシだと思っていて、目的地には早めに行って、近くのカフェでお茶をして待っているくらいの感じにしています。

それでも、どんなに早めに家を出ても、結局待ち合わせの時間ギリギリに着いた!なんてこともあります。そんなときは、「ホフスタッターの法則」が作用してたわけですね。

ほかにも、特に仕事や勉強において、同様の現象が起こります。
締め切り前にバタバタしたり、夏休みの宿題を夏休み最終日に徹夜で仕上げたり、という人間の行動はもはや定番です(笑)。

もちろん、全てにホフスタッターの法則が当てはまるとは思えません。
計画通りにきちんとできる人もいますし、私自身も予定より早めに仕事が片付いた!なんてこともありますよ。

ダグラス・ホフスタッターはどんな人?

ダグラス・ホフスタッターのフルネームは、ダグラス・リチャード・ホフスタッター(Douglas Richard Hofstadter)です。
1945年ニューヨーク生まれで、父親はノーベル賞を受賞したこともある物理学者のロバート・ホフスタッターとのこと。

専門は認知科学および計算機科学。多くの一般書を執筆しており、その中でも特に有名なのが1979年に発行した「ゲーデル、エッシャー、バッハ – あるいは不思議の環」。1980年に同書でピュリッツァー賞の一般ノンフィクション部門を受賞しています。この本は人工知能の問題を高エネルギー物理学、音楽、芸術、分子生物学、文学、といった多彩なテーマに絡めて記述しています。

ホフスタッターはマルチリンガルでもあり、母語である英語に加えイタリア語、フランス語、ドイツ語が話せるようです。

あとは日本の絵本作家、安野光雅さんのファンなのだとか。

参照:Wikipedia

ダグラス・ホフスタッターの著書

ダグラス・ホフスタッターの著書は、前出の「ゲーデル、エッシャー、バッハ – あるいは不思議の環」が一番有名ですが、そのほかにもいくつか日本語訳で販売しているので紹介していきましょう。

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版


ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

世界を揺るがした衝撃の超ベストセラーは「本当は何を書いた本なのか?」多くの読者を悩ませ楽しませてきた問いに、ついに著者自ら答える序文収録。20周年記念版。

メタマジック・ゲーム―科学と芸術のジグソーパズル


メタマジック・ゲーム―科学と芸術のジグソーパズル

あのGEBの奇才ホフスタッターが、音楽、アート、ナンセンス、ゲーム理論、人工知能、分子生物学、…をめぐり、マジックとロジック、諧謔と厳密を駆使して思考の限界に挑む。

マインズ・アイ―コンピュータ時代の「心」と「私」〈上〉


マインズ・アイ―コンピュータ時代の「心」と「私」〈上〉

「心」とは、「私」とは、いったい何なのか? コンピュータ・サイエンス、SF、心理学、哲学を統合し、21世紀の人間像を求めていま、読者に挑戦する。

わたしは不思議の環


わたしは不思議の環

1979年に刊行されるやいなやアメリカの出版界の話題を独占した『ゲーデル、エッシャー、バッハ』(GEB)。日本でも85年に邦訳が出るとたちまちベストセラーとなり、それから30年あまり経った今日まで、知的好奇心あふれる読者たちを魅了し続けています。本書『わたしは不思議の環』(I am a Strange Loop)はその続編、あるいは完結編とも呼べる作品です。もちろん、著者お得意の饒舌と諧謔は今も健在。
ゲーデルの自己言及構造から人間の魂に至る幅広いトピックを縦横無尽に走り抜け、GEBの核心にあった「命をもたない物質からどうやって〈私〉は生まれるのか?」という難攻不落の謎に真正面から挑みます。認知科学の大家でありベストセラー作家でもある著者が、自身の知見と経験をすべて注いだ新たなる知の金字塔。これぞ本物の読書体験! と言えること間違いなしの、知的な歓びが詰まった一冊です。

どれも面白そうな本ばかりですね。1つの言葉に出会って、その言葉を発した人を知って、その人の著書を知る。さらに著書を読めば、新たな扉が開けて世界が広がるに違いありません。

言葉を学んだり、知らないことを勉強をする理由って、世界を広げるためなんだなぁと改めて感じました!

ダグラス・ホフスタッターがファンだという、日本の絵本作家、安野光雅さんの作品はこちら。絵を見ると、どこかダグラス・ホフスタッターと共鳴しあっていることが感じられます

ふしぎなえ


ふしぎなえ (安野光雅の絵本)

階段をあがると上の階へ、またあがると、あれあれ、もとの階にもどっています。迷路に入っていくと、いつのまにか天地がさかさまに。蛇口から流れ出した水は川となってまた水道に循環し、高架道路は地面と同じ高さに……。絵の中だけに存在する不思議な世界に、小人の案内で導かれます。世界的に人気を獲得した絵本作家・安野光雅のデビュー作です。

出版社からのコメント:シュールレアリズムの画家であるダリ、エルンスト、ミロに影響を受け、そしてエッシャーによる、精密なる計算のもとに、古典的な遠近法を逆用して摩訶不思議な世界を表現した絵に魅了された画家の安野光雅さんは、一人でも多くの子どもたちにこの不思議な世界を感じてもらいたいと思い、本作品の制作にあたったそうです。この絵本には文字はありません。しかし、これはこの絵本に登場する小人が、見る人によってそれぞれちがった言葉をしゃべり、自由な解釈をもたらすように作用していると安野さんは語っています。子どもから大人まで、安野さんの作り出す世界を心ゆくまで楽しんでいただければと思います。

まとめ

以上、ホフスタッターの法則と、ダグラス・ホフスタッターという人物、彼の著書についてを調べてみました。

これからは、仕事や勉強に時間がかかってしまっても、「そういう風にできているんだ」と少し納得できてしまいますね。
このホフスタッターの法則を考慮して、時間に余裕を持ったスケジュールの重要性を再確認しながら仕事や勉強に取り組みたいなと感じました。
今後も気になる言葉を英語で見つけたら、調べて紹介していきたいと思っています!

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