コンブチャ(紅茶キノコ)発祥の場所は日本?その名前の由来は諸説あり

コンブチャ(紅茶キノコ)発祥の場所は日本?その名前の由来は諸説あり

「コンブチャって知ってる?」とコンブチャの話を切り出すと、大抵は二種類の反応が待っています。

「コンブチャ飲んでるよ、おいしいよね!」
「昆布茶? あのしょっぱいお茶のこと?」

私も最初にコンブチャのことを聞いたときは、後者の反応をしました。日本人にとっては、コンブチャと言ったら昆布茶ですよね。

お茶はお茶でも、昆布茶とはまったく違う、発酵飲料の「コンブチャ」だなんて思いもしません。では、どうしてコンブチャは昆布茶と同じ名称なんでしょうか?

コンブチャの名前の由来には諸説あり

コンブチャは英語で「KOMBUCHA」と書きますが、調べてみたところ名前の由来は実は明らかにされていないという結果でした。

日本人としては「一体どんな理由で発酵飲料をコンブチャと呼ぶようになったの?」と気になって仕方がありませんが、以下のような諸説があります。

・韓国語で「菌」を「KOM」と発音する→それが変化して「KOMBUCHA」に(でもBUCHAって何だ?)

・コンブチャのスコービー(菌)が海藻に見えた→日本の昆布茶と勘違いする→「KOMBUCHA」と呼ばれるように

・韓国の医者Dr.Kombuさんが、西暦415年に允恭天皇のために日本に持ってきた特別なお茶が「KOMBUCHA」だった

このような諸説がありますが、あくまでも推測でしかないのです。3番目の説が興味深いと思い、そもそもDr.Kombuさんって何者?と思って軽く調べてみました。

古事記によると、允恭天皇は体が弱かったため、新羅(当時の朝鮮半島の国家)から何人かのお医者さんを招いたようです。その中の1人が金波鎮漢紀武(コムハチムカムキム)さん。彼がDr.Kombuさんでしょうかね?

大昔の話なので確実な証拠も残っておらず、今でも名前の由来は謎に包まれています。

コンブチャ発祥の場所はどこ?

コンブチャ発祥の場所は、モンゴルやロシア、中国、そして韓国や日本と、これまた諸説があります。
ただ、名前の由来と同様に発祥の場所の証拠も、遠い歳月のかなたに消え去ってしまっているのが現状です。

コンブチャ発祥の場所についてを調べてみたところ、恐らく中国が最も古く、2000年に渡って飲まれていると考えられています。中国の晋(しん)の時代(265~420年)に、コンブチャが「不死のお茶」として飲まれていた記録が残っているそうです。さらに、東ヨーロッパやロシアや日本でも幾世紀にわたって飲まれており、日本に伝わった際のエピソードは先ほど紹介した通りです。

特にロシアやウクライナ、ベラルーシではTea Kvass(クワス)という伝統的な発酵飲料が存在しており、この製法がコンブチャと似ているそう。クワスの歴史は、キエフ大公国時代(東欧の国家)から知られています。クワスはライ麦と麦芽を発酵させて作る微炭酸の微アルコール性飲料です。

クワスとコンブチャは別もので、2000年以上前に古代エジプトで出現したとも言われています。

調べるほど謎に包まれているコンブチャの歴史ですが、およそ2000年前に中国で発祥した説が、私は有力だと感じています。同時に、まったく別物だけど似ているクワスが古代エジプトで出現しているのも興味深いですね。

コンブチャは日本で紅茶キノコと呼ばれていた

コンブチャの由来や発祥に関しては、2000年もの時代を遡りましたが、実は近代の1970年半ばに日本でコンブチャが流行しました。

当時は「紅茶キノコ」と呼ばれていました。紅茶を発酵させるためのスコービー(菌)の見た目がキノコみたいだったから「紅茶キノコ」という名前というわけです。

健康食品として飲まれており「紅茶きのこ健康法」として、雑誌やテレビでとり上がられて、日本全国で大いに流行したのだとか。その火付け役が中満 須磨子さんによる「紅茶キノコ健康法」という本です。


紅茶キノコ健康法

ちなみに、「紅茶キノコ健康法」には、中国に存在した国家の渤海(ぼっかい)で、海宝(ハイパオ)という名前で存在していたと書かれています。それが、現ロシアに伝わったとされていますね。

1970年代に大流行した紅茶キノコは、わずか半年でそのブームが終焉してしまいます。その理由は、自宅で紅茶キノコを作る際に食中毒などが発生し、安全性や有効性が疑われたからだそう。

そんな紅茶キノコが、およそ40年の時を経てアメリカの西海岸で「コンブチャ」として流行し、今に至るわけですね。

まとめ

コンブチャ発祥の場所と名前の由来は、明らかになっていないというのが現在の結論です。私は個人的にはDr.Kombuさんが説を信じたいですね!

まだ医学の文明を持たない昔の人たちが、知恵と経験に基づいて体の健康のために飲んでいた、長い歴史を持つ飲み物だということは確かです。

KOMBUCHAはそんな昔の人たちから伝承されたプレゼントだと思うと、感慨深いものがあります。キッチンの棚で今日も発酵を続けるコンブチャを大切に愛でたくなりますね。

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