美容と健康に興味のある人々の間で流行し、日本でもじわじわと人気を得ている飲み物「コンブチャ」ってご存知でしょうか?
コンブチャは「昆布茶」とは別モノで、海外だとドラッグストアやグロサリーストアなどで売っている発酵飲料です。カフェやブリュワリーでも定番のメニューなんですよ。発酵飲料は腸内環境を整えてくれるので私自身も体が疲れているときについ手が伸びる飲み物の1つなんです。
日本では売っている場所が限られていて、通販などを利用しないと購入することができません。しかし、実はコンブチャって自宅で作ることができるんです。
体にいいものは毎日コツコツと取り入れることが鉄則。コンブチャを飲み続けるためには自分で作るのが最適だと思い、5年前からカナダの自宅のキッチンで自作を始めました。
コンブチャを自分で作るために行うことは、たったの3ステップです。
2.砂糖がたっぷり入った甘い紅茶液を作る
3.スコービーと甘い紅茶を混ぜて放置
本記事では私がコンブチャを作り続けてきた体験から、確実に育てるためのちょっとしたコツとともに、作り方の手順を説明していきましょう。
コンブチャを使ったアレンジレシピも紹介しています!
コンブチャの二次発酵のやり方はこちらから
作る時間がないけどコンブチャを試したい!という方は市販のものもありますよ
コンブチャを自宅で育てるための材料
まずは、コンブチャを自宅で育てるために必要なのものを紹介していきましょう。
メイソンジャーなどのガラス瓶
コンブチャの「家」となる、コンブチャを育てるためのガラス瓶を用意します。メイソンジャーなどが丈夫で使いやすいでしょう。プラスチックはコンブチャの酸で溶けてしまうので使用しないでください。
コンブチャの株スコービー
Photo by Sterling College
コンブチャの素となる株はスコービーと呼ばれています。これを手に入れるためには、すでにコンブチャを育てている人に分けてもらうのが一番です。もしも、身近にコンブチャを育てている人がいない場合は、スターターキットを購入することも可能ですよ。
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砂糖
コンブチャを発酵させるために必要なのが砂糖です。コンブチャは砂糖を餌にして育っていきます。私は普通の白砂糖を使っていますが、こだわるのであれば黒砂糖やオーガニックシュガーでも問題ありません。ただ砂糖に不純物が入っていると失敗する場合もあるので、慣れるまでは精製された白砂糖を使うのがベターです。
紅茶のティーパック
コンブチャを育てるためにはカフェインが入ったお茶を使ったほうが、スコービーの質を保持できると言われています。しかし実際にルイボスティーなどのカフェインフリーのお茶を用いても特に問題ありませんでした。個人的には緑茶を使うのが好みです。すなわち、どんなお茶でもコンブチャは育ちますが、まずは飲みやすく作りやすく、味もおいしくなる定番の紅茶を用意してみてください。
ミネラルウォーター
コンブチャの材料となる紅茶は、水道水ではなくミネラルウォーターで作る方がベターだと言われています。なぜなら、水道水に含まれる塩素がコンブチャが育つための菌を殺してしまうからとのこと。慣れてきたら水道水を浄水器などでろ過した水を使用しても構いませんが、最初のうちはミネラルウォーターを使用したほうが失敗が少ないと思います。
大きな鍋
大きな鍋は、コンブチャの家となるガラス瓶を煮沸消毒するのに使用します。メイソンジャーなどのガラス瓶が入る大きさの鍋を用意してください。
布巾と輪ゴム
コンブチャを発酵させる際には、スコービーが呼吸できるように、瓶を密封せず布巾と輪ゴムで蓋をします。布巾の代わりにキッチンペーパーを代用しても構いません。
以上がコンブチャを作るために必要なものです。コンブチャの素となるスコービー以外のほとんどは、すでに家庭にあるもので作ることができます。材料がそろったら、早速コンブチャ作りに取り掛かってみましょう。
コンブチャの作り方の手順を紹介
次にコンブチャの作り方の手順とポイントを紹介していきましょう。
1. コンブチャの家となるガラス瓶を煮沸消毒する
コンブチャ作りを行う際に最初にするべきことは、コンブチャを育てるために使うガラス瓶の煮沸消毒です。
ガラス瓶が汚れていたり雑菌が付着していると、コンブチャにカビが生えてしまいます。少し手間ですが、カビを防ぐためにはそのひと手間を惜しまずに煮沸消毒を行ってくださいね。
煮沸消毒のやり方ですが、私は水道からお湯を出して鍋に満たし、その中にガラス瓶を入れて火にかけます。沸騰した高温のお湯の中に瓶を入れるよりも簡単だからです。熱湯にガラス瓶を入れる場合は、火傷をしてしまう恐れがあるので……。
さらに、温度の急激な変化によって瓶が割れてしまうことも防ぎます。
煮沸消毒は5分間行ってください。
瓶を鍋から取り出す際にはトングなどを使って慎重に。清潔な布巾の上に逆さまにして置いておけば自然乾燥できますよ。
2. ミネラルウォーターを沸かして甘い紅茶を作る
鍋にミネラルウォーターを沸かします。私はスコービーをたくさん持っているので毎回、4Lくらいの水を沸かして大量に作っていますが、まだコンブチャのスコービーがひと株しかない場合は、500ml程度あれば十分です。ちなみに一度作り始めると、スコービーはどんどん増えていきますよ。
ミネラルウォーターを鍋で沸騰させたら、紅茶のティーパックを浸して砂糖を大さじ4~5杯入れます。砂糖の量は紅茶に対して10%の割合が丁度良いとされています。かなり甘い紅茶を作ることになります。
白い砂糖は体の健康のために避けている人も多いかと思います。コンブチャにこんなにたくさん白砂糖を入れるの!?と驚くかもしれませんが、ご安心を。
コンブチャは砂糖を栄養にして発酵します。白砂糖の甘さは発酵した時点でまろやかになり、さらに発酵が進むとお酢のように酸っぱくなります。それから、白砂糖ではなく精製されていないオーガニックの砂糖などを使用したいと思うかもしれませんが、コンブチャの場合は精製された白砂糖を使う方がベターだとされています。
というのも、砂糖に不純物が混ざっていると、コンブチャの発酵を妨げてしまったり、他の菌を増やしてしまったりする恐れがあるようです。
紅茶に砂糖を溶かしたら、人肌に冷めるまで置いておきましょう。
3. コンブチャのスコービーを瓶に入れる
株分けしてもらったスコービー、もしくは購入したスコービーを瓶の中に入れます。このとき、必ずスコービーが浸っていた原体も一緒に入れてください。コンブチャの原体は、スコービーが紅茶液をコンブチャとして完成させることを手伝います。
スコービーを入れた瓶の中に、冷ました甘い紅茶液を入れます。布巾もしくはキッチンペーパーと輪ゴムで蓋をして、あとは放っておくだけで大丈夫です!
4. コンブチャを発酵させる
スコービー、コンブチャの原液、甘い紅茶が入った瓶を、キッチンペパーと輪ゴムで蓋をしたら、常温かつ日の当たらない場所に置いておきます。戸棚の中が一番コンブチャが育ちやすい場所ですね。
冷蔵庫には入れないでください。それから、蓋を密封しないでください。コンブチャがきちんと呼吸ができるように、キッチンペーパーや布巾で蓋をして通気性が保たれるようにしてくださいね。
コンブチャが発酵するのに最適な温度は25~30度なので、夏場は3日も経てば発酵します。冬場は1週間から10日ほどかかります。
発酵しているかどうか、飲み頃かどうかを確認するためには、味見をしてください。ストローを瓶に入れて、飲んでみて酸味があれば発酵している証拠です。まだ甘すぎると感じたら、もう1~2日待てば味が変わってきます。酸味と甘みは自分の好みの状態を見つけましょう。
5. コンブチャを保存する
Photo by Ed Summers
コンブチャの酸味と甘みが好みの状態になったら、それ以上発酵が進まないように別のガラス瓶に入れて密封し冷蔵庫に入れておきます。できあがったコンブチャはそのまま飲んだり、炭酸水やジュースで割って飲みます。ほかにも、ヨーグルトやスムージーに混ぜるなど、飲み方はさまざまです。
コンブチャのスコービーと、発酵したコンブチャ飲料を少量だけ、瓶に残しておいてくださいね。そうすることで、コンブチャを育てていた瓶に甘い紅茶を注ぎ足していけば、無限にコンブチャを作ることができるわけです。
コンブチャを自宅で作る際の注意点
コンブチャは最初に煮沸消毒を行ったり、白砂糖が入った甘い紅茶を作る以外は、あとは放置しておけば勝手にできあがります。
注意するべき点は、瓶の煮沸消毒を怠るとカビが生えてしまうので、面倒臭がらずにしっかりと瓶を消毒することですね。
一度、煮沸消毒をしていない瓶でコンブチャを育てたら、緑色のカビが表面に浮いていました……。カビが生えたコンブチャは捨てるしかありません。絶対に飲まないでくださいね。
繰り返しコンブチャを作っているとスコービーが紅茶の色素で汚れてくるので、ときどき洗ってあげるといいです。スコービーを洗うときは、ミネラルウォーターを使用してください。
まとめ
コンブチャを自宅で育てるための方法とコツ、いかがでしたか?
作る人によって味は変わってきますし、作るたびに毎回少しずつ味が異なってくるので、自分のコンブチャにどんどん愛着が湧いてきますよ。
自分だけのオリジナルコンブチャを作って、毎日の食生活にコンブチャを取り入れてみてくださいね。
手軽にコンブチャが続けられる市販のコンブチャを以下の記事で紹介しました。自分で作る時間がない!という方はぜひチェックしてみてください。
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