精度の高さが話題となっている機械翻訳アプリの「DeepL」。意味はつかめるけれど不自然な翻訳になりがちな「Google翻訳」を遥かに超えているクオリティだと多くのメディアで紹介されて評判になっているんですよ。
本記事ではそんな革命的な機械翻訳アプリの「DeepL」について、使い方やダウンロード方法などを紹介していきましょう。
Google翻訳を超えた高精度の機械翻訳アプリ「DeepL」とは?
DeepL翻訳は2017年8月に提供が開始された、無料で使える機械翻訳サービスです。以前は英語やフランス語、ドイツ語やイタリア語やスペイン語などヨーロッパ圏由来の言語を中心に提供していましたが、2020年3月より日本語と中国にも対応しました!
DeepL翻訳を提供しているのはドイツのDeepL社です。ディープラーニング(深層学習)を軸とした、言語に特化した人工知能システムを開発している会社ですね。もともとは訳文検索エンジン会社のLingueeを前身としているだけあり、人の手による訳文を集めた豊富なデータベースがDeepL翻訳の機械翻訳システムに生かされています。
無料で使えますが、最近はプロ用の有料プランも発表されていますよ。
私自身は、英語の記事内容をざっくりと読むときに使うことが多いのですが、内容を把握するにはまったく不便はありません。その後に、改めてじっくりと英文を読み込むと理解度が高まるので、英語長文読解の練習にもなります。ほら、映画とかもあらすじをざっくりと理解してから見るほうが置いていかれずに済むし、理解度が深まったりしませんか? その感覚と少しに似ているかなと思います。
次に、機械翻訳アプリDeepL翻訳の使い方を説明していきましょう。
「DeepL」の使い方その1:ブラウザ上でそのまま使う
DeepL翻訳の一番シンプルな使い方は、ブラウザ上でそのまま使う方法です。
DeepL翻訳のサイトにアクセスする
DeepL翻訳のサイトにアクセスすると上のような画面が現れます。
英語の文章を左側の空欄にコピー&ペースト
英語の文章の例文は、メリアム=ウェブスター辞典のウェブサイトの、「今日の単語(Word of the day)」より。この日の単語は「グルマン(gourmand)」でした。
たったこれだけです。数秒で日本語訳文が現れますよ。DeepL翻訳のサイトをブックマーク登録しておいて、いつでも使えるようにしておくと便利かと。
ワードファイルやパワーポイントファイルを直接読み込むことも可能
翻訳したいテキストを入力もしくはペーストする白枠の下に「文書の翻訳」というボタンがあります。ここを選択し英語の文書をドラッグアンドドロップするだけで文書の翻訳が完成しますよ。
「DeepL」の使い方その2:アプリをダウンロードして使う
次にMacやWindowsなどPC上にアプリをダウンロードして使う方法を説明します。iPhoneなどのスマートフォン向けのアプリはまだありませんが、今後登場してくれるといいなぁと思っています。
DeepL翻訳のサイト右上のダウンロードボタンをクリック
DeepL翻訳公式サイトのトップページにあるダウンロードボタンをクリックすると自動的にダウンロードされます。アプリのダウンロードとインストールも無料で行えます。
DeepL翻訳アプリをインストールする
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、インストーラーが現れます。「DeepL」のアイコンを、「Applications」 のアイコンにドラッグアンドドロップします。
翻訳したいテキストをアプリ上で入力もしくはペーストする
インストールしたDeepL翻訳アプリを開くと、画像のような画面が現れます。使い方はブラウザ上で行うのと同様に、英語の文章を左側の空欄にコピー&ペーストしてくださいね。
この機能は、オンラインで英文を読んでいる時にブラウザ上で行えます。その他、メールやワードファイルなど、どんなプログラムを使っていてもテキストを選択して「⌘C」を2回押すだけで、DeepL翻訳のアプリが立ち上がり、ものの数秒で翻訳してくれるんですよ。
英語のニュースやブログなどで情報を集めていて、もっと沢山のニュースを効率的に読みたい!という人は、PC上にDeepL翻訳のアプリをインストールしておいて損はないと思います。
日本語も対応している有料版「DeepL Pro」の機能は?
有料版の機械翻訳アプリ「DeepL Pro」も登場しました。これは個人での利用はもちろんのこと、フリーランスの翻訳者、翻訳エージェント、言語サービス提供者、あるいは企業の言語関連部署や開発者など、プロとして翻訳業務に従事している人たちが活用できる多機能を搭載しています。
有料版ではどのような機能が使えるのかを見てみましょう。
あらゆる文書ファイルを丸ごと翻訳
原文のフォントやイメージなどのフォーマットはそのままに、文書ファイルの言語部分のみを丸ごと変換が可能です。これによって時間を大幅に節約できます。対応しているファイル形式はMicrosoftのワードファイル(.docx)、 パワーポイントファイル(.pptx)、テキストファイル(.txt)で、他の形式も対応準備中とのこと。
API機能の搭載
開発者向けのDeepL APIプランは、アプリケーションやプラットフォームにDeepLのAPIを組み込めるようです。APIを組み込むことで何が出来るかと言うと、DeepLの機械翻訳技術を使ったアプリケーション開発が可能になるわけですね。例えば、世界各地からのサービスへの問い合わせ内容をDeepL Proで瞬時に多言語翻訳して業務を大幅に簡素化するなど、DeepL APIプランを使えば、あらゆる可能性が広がります。
翻訳支援ツールとの連携
DeepL Proは、フリーランス翻訳者や翻訳チームにとって作業効率を上げてくれるツールとしても機能しますよ。プラグイン機能を使って、SDL Trados Studio、memoQ、Across Language Serverといった翻訳支援ツールにDeepL翻訳を組み込むことが可能とのこと。
万全のセキュリティ対策
DeepL Proで入力した原稿やテキストは、翻訳が終わると同時に削除されます。DeepLのサーバーとのやり取りは常に暗号化されるので、入力したテキストは第三者に読み取られることがありません。気密性の高さは、EUのデータ保護規則に準拠しているそう。
有料版「DeepL Pro」の料金プランは 3種類あり
有料版「DeepL Pro」は、最安値で月額750円から使用可能です。「個人向け」「チーム向け」「開発者向け」の3種類があり、「個人向け」「チーム向け」は30日間の無料体験期間も提供していますよ。
個人向け(Starter)
年間契約の場合:年額9000円(月額 750円)
月額契約の場合:月額 1200円
※30日間の無料体験期間付き
・オンライン翻訳の文字数制限なし
・用語集の上限なし(日本語未対応)
・毎月翻訳できる文書数:5
チーム向け(Advanced)
年間契約の場合:年額30000円(月額2500円)
月額契約の場合:月額3800円
※30日間の無料体験期間付き
・オンライン翻訳の文字数制限なし
・用語集の上限なし(日本語未対応)
・毎月翻訳できる文書数:20
・翻訳支援ツールで好きなだけ翻訳
開発者向け(Ultimate)
年間契約の場合:年額60000円(月額5000円)
月額契約の場合:月額7500円
・オンライン翻訳の文字数制限なし
・用語集の上限なし(日本語未対応)
・毎月翻訳できる文書数:100
・翻訳支援ツールで好きなだけ翻訳
翻訳を仕事にしている人や、企業で翻訳に取り組んでいる場合は、有料版「DeepL Pro」を試してみる価値があると思いますよ。
まとめ
Google翻訳を超えた精度を誇る機械翻訳アプリ「DeepL」、個人的にはもう手放せないアプリですね。今のところは無料版で十分ですが、いずれ有料版も試してみたいなと思っています。
今後もっとアプリの機能が向上していくことは間違いないので、特にiPhoneやスマートフォン向けのアプリの登場を待ちたいところですね。
他にも便利な英語の読み上げアプリについて、こちらの記事で紹介しています。ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
語学学校や英会話学校、海外のカレッジや大学で出された英語の宿題やエッセイ、レポートを効率的に終わらせたい!という人には、無料の英文校正ソフトgrammarly(グラマリー)がおすすめです。まだ使用していない人は、以下の記事を参考にぜひ試してみてくださいね。